読了

ケイト・モートン『秘密』

『秘密』、女優のローレルが母・ドリーの第二次世界大戦中に残した秘密を追う小説。 傑作です。マイオールタイムベスト級と言ってもいい。 ストーリーはカットバック形式で、現在と過去を行き来しながら母親のかつての友人、ロンドンでの暮らし、そして恋人…

紙上ユキ『少女手帖』

久しぶりに王道少女小説を読みました。面白かったー。 「ふつう」でいるために我慢しながら学校生活を送る主人公・ひなたが、別世界の住人のような美しい同級生の弱点を知ってしまったことから動いていく物語。 同級生、男友達、姉、姉の親友というべき老婦…

陳浩基『13·67』

オールタイムベスト級という評判に違わない傑作。 連城っぽいという声も聞いていましたが、第一話「黒と白のあいだの真実」を読んだ時点では、そこにある要素をどのように捜査(≒トリック)に用いるか、その使い方については私はむしろ横山秀夫的だと感じまし…

ヴィクトリア・エイヴヤード『レッド・クイーン』

レッド・クイーン (ハーパーBOOKS)作者: ヴィクトリア・エイヴヤード,田内志文出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン発売日: 2017/03/17メディア: 文庫この商品を含むブログを見る表紙と帯に惹かれて買った本がとても面白かった! スラム育ちの少女…

北森鴻『狐闇』

『邪馬台』を読んだところ、こちらが未読だったと判明したため。那智ファンなので、サスペンスのシナリオから那智が何(謎)を見つけ、どう推理するかを楽しみに読みました。 数年ぶりに北森先生のミステリを読んでいますが、やはり好きなので家にある本から読…

連城三紀彦『愛情の限界』

パズル色が強いように思う。けれども、罠と計算と騙し合いの連続展開であることは、連城の恋愛小説の傾向ともほぼ一致する。 連城作品において嘘は矛盾ではなく、むしろそれを通して真実(もしくは恋)を書くツールだと思う。

紅玉いづき『現代詩人探偵』

詩を書くこと、それをアイデンティティとして生きていくことの業と青春小説としての悲しみが溶け合っていた。趣味でですが短歌を詠んでいるので刺さるところがたくさん……。 赤えんぴつを持って、傍線を引きながらまた読みたい。

クリスチア・ブランド『招かれざる客たちのビュッフェ』

短編のページ数の中で幾度も行われる読者との駆け引き、結末へ至るまでのプロットの運び、そして「ジェミニー・クリケット事件」の緻密さが良かった! 収録作では「婚姻飛翔」も好きです。

文藝春秋社『Love Letters』

皆川博子のラブレター(ショートショート?)を読めるとのことで購入。文の隙間から滲み出ている、呪いのような思慕がたまらないです。 恋文の他に親への手紙やファンレターの体裁のものもあり、どれも言葉ひとつひとつにこめられた濃厚な愛を拾ってしまうから…

カーター・ディクスン『貴婦人として死す』

記録再開すると言いながら中山可穂再読マラソンしててミステリ読んでなかった……。

ダフネ・デュ・モーリア「レイチェル」

養父の未亡人に惹かれる青年の破滅の物語。 静かな場面とサスペンスフルな場面とのギャップも面白く一気に読めます。文章も綺麗だったので翻訳家さんの名前を覚えておこう。

伊坂幸太郎「残り全部バケーション」

「検問」だけは以前別のアンソロジーで読んだことがありました。作風が移行していた頃、もう一度伊坂の書く凝ったミステリを読みたいと思うようになったきっかけの短編です。 全体における伏線の忍ばせ方や登場人物同士及び読者との駆け引きは、大技でこそな…

J・D・カー「ユダの窓」

ユダの窓 (創元推理文庫)作者: カーター・ディクスン,高沢治出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2015/07/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (14件) を見るトリックは知らず(この作品、とは知らず)読んだのですが、状況証拠からいかに可能性を潰していく…

大矢博子「読み出したら止まらない! 女子ミステリーマストリード100」

読み出したら止まらない! 女子ミステリー マストリード100 (日経文芸文庫)作者: 大矢博子出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2015/08/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (13件) を見る

米澤穂信「王とサーカス」

王とサーカス作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2015/07/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (40件) を見る

法月綸太郎「怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関」

怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関作者: 法月綸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/07/09メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (9件) を見る

皆川博子「トマト・ゲーム」

トマト・ゲーム (ハヤカワ文庫 JA ミ 6-6) (ハヤカワ文庫JA)作者: 皆川 博子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/06/04メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る「獣舎のスキャット」が好きなので復刊嬉しい!

伊坂幸太郎「ジャイロスコープ」

ジャイロスコープ (新潮文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/06/26メディア: 文庫この商品を含むブログ (26件) を見る

友桐夏「リリカル・ミステリー 盤上の四重奏―ガールズレビュー 」

盤上の四重奏 〜ガールズレビュー〜 リリカル・ミステリー (コバルト文庫)作者: 友桐夏,水上カオリ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/03/01メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (48件) を見る

連城三紀彦「造花の蜜」

造花の蜜作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 角川春樹事務所発売日: 2008/11メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 28回この商品を含むブログ (75件) を見る実はずっと積んでました(できる限り後に取っておきたかった)。 反転どころではない、幾重にも構えられ…

伊坂幸太郎「3652 伊坂幸太郎エッセイ集」

3652: 伊坂幸太郎エッセイ集 (新潮文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/05/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る

マンリー・W・ウェルマン、ウェイド・ウェルマン「シャーロック・ホームズの宇宙戦争」

モーリス・ルブラン「奇厳城」

怪盗ルパン奇巌城 (集英社文庫)作者: モーリス・ルブラン,江口清出版社/メーカー: 集英社発売日: 1992/11/20メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (2件) を見る

皆川博子「花闇」

花闇 (集英社文庫)作者: 皆川博子出版社/メーカー: 集英社発売日: 2002/12/13メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (10件) を見る

エリス・ピーターズ「死体が多すぎる 修道士カドフェル2」

死体が多すぎる ―修道士カドフェルシリーズ(2) (光文社文庫)作者: エリスピーターズ,大出健出版社/メーカー: 光文社発売日: 2003/03/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (10件) を見るどのように解決するのか、というカドフェル…

新津きよみ「わたしはここにいる、と呟く。」

わたしはここにいる、と呟く。 (徳間文庫)作者: 新津きよみ出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2010/09/03メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログを見る今まで読んだ新津きよみの本で一番好きかも。

ダフネ・デュ・モーリア「いま見てはいけない デュ・モーリア傑作集」

いま見てはいけない (デュ・モーリア傑作集) (創元推理文庫)作者: ダフネ・デュ・モーリア,務台夏子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2014/11/21メディア: 文庫この商品を含むブログ (13件) を見る映画原作となった表題作など中・短編を集めたもの。復活…

連城三紀彦「秘花(上・下)」

秘花〈上〉 (新潮文庫)作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/02メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る秘花〈下〉 (新潮文庫)作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/02メディア: 文庫この商品を含む…

連城三紀彦「一瞬の虹」

一瞬の虹 (新潮文庫)作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るこちらはエッセイ集。 創作秘話はそんなに見られず、どちらかというと交友関係や人付き合い、幼いころに出逢って影響を受けた人…

新津きよみ「孤独症の女」

孤独症の女【徳間文庫】作者: 新津きよみ出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2012/04/06メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る