Angelo『RETINA』

昨年末に初めてAngeloのライブに行ってから、音楽に使う時間の大部分をあてて聴き直したり、買い逃していたアルバムやDVDを集めたりと坂を転がり落ちるように熱中しております。遠征はしないのでライブは地元での公演を見に行くだけなのですが。

それまで

もともとPIERROTは昔少し聴いていて(曲が好きという程度)、解散後も三人が同じバンドで活動しているということは知っていたのですが、その頃の音源はピンとこなかったのでそれ以上追いかけないでいました。


そんな中、Twitterでフォロワーさんにすすめられて手に取ったのがアルバム『RETINA』でした。
新メンバー加入により、キリトさんの歌詞はブレることのないまま世界を広げ、Karyu独特のメロディアスな曲が華となって群生し、同時にツインギターの音が入ることで重低音はソリッドに浮かび上がり強調されていく。
それは生まれ変わって両翼を与えられ、風に乗って飛び立つ新生Angeloの音楽でした。



私は次のアルバムの『FAITH』も好きで、争いの世界とその収束に希望を見出す長編小説のようなストーリー性、そしてKOHTAさんのベーシストらしい感性の表れたCONTRACTという曲をAngeloで一番愛しています。

その後

色々あって全くタイミングが合わず、さらにJリーグへ出戻り、2015シーズン中盤からはバンドの開拓をしている場合ではなかったため、何枚かのアルバムを挟んでようやく昨年冬のツアー名古屋公演でライブへ。


まず驚いたのは音が安定していること。ほとんど直方体と言っていいほど常に一定のタテヨコ高さを保ったままそれが迫ってくる、経験したことのないような音だと感じました。
メンバーの中では音源の印象からKOHTAさんが好きだな〜と思っていたので、下手側後方から「格好いいな〜またライブ行けたらいいな」と見続けていた最後の曲で事件は起きた。
キリトさんがツカツカツカと下手に歩いてきたと思ったら、その勢いのままギルの頭を掴んで折りたたみをさせ始めた。困った顔で笑いながら折りたたまれるギル。


衝撃のかわいさ(音楽関係ない)。


白状するとこの瞬間まで、ギルの存在はまったくのノーマークでした。だってベーシスト好きだし音もベースを聴き取ろうとしていたし、ハマるならTHE上手ギターだと思っていたのです。
ノーマークだった存在をいきなり意識した、というパターンはおそらく一番狂った落ち方をすると思います。
終演後、まさかと思いながら物販でロトを買い足すと、ギルのサイン入りステッカーを引き当てるビギナーズラック発動。
「落ちるしかない」
私は直感した。


それから

こうして私はギルかわいいに染まった。
好きなメンバーや気になるフレーズを見つけると、人はそれを手がかりにもう一度音楽を分解・再構成して聴いていきます。
改めてギターを意識して聴き直すと、意外なことに他のパート、特にドラムを聴き取りやすくなったように思います。


Angeloは「この音だからこの歌詞」「この歌詞だからこの音」という相互関係が明確で、その上で凝りに凝った譜面を書いて表現をしているので興味が尽きません。化粧を必要とする音楽って良いですね!


またツアーの折には是非ライブに足を運びたいと思います。DVDを見ながら、その時を楽しみに待っています。