2007年版、中井のお気に入りたち

中井が2007年読んでブログに感想を書いたミステリの中から、特にお気に入りの「心の一冊(×複数)」をリストアップ。作品ごとにリンクを張っているので、もう少し長い感想も読めます。
なお、2007年発行でないものも含みます(むしろ大部分が過去の作品です)。
(著者名/五十音順)


・綾辻行人「時計館の殺人」

時計館の殺人 (講談社文庫)

時計館の殺人 (講談社文庫)

偽装と言ってもそこまでやるか!


・有栖川有栖「女王国の城」

女王国の城 (創元クライム・クラブ)

女王国の城 (創元クライム・クラブ)

ありがとう、ありがとう15年。江神さんは私の嫁です。
今、サラッと全国の江神さん派を敵にまわしたね。


・伊坂幸太郎「死神の精度」

死神の精度

死神の精度

表題作の爽やかさにまずノックアウト。締め方も最高。


・霧舎巧「新本格もどき」

新本格もどき (カッパ・ノベルス)

新本格もどき (カッパ・ノベルス)

トリック・ロジック・新本格への愛情で出来た連作短編集。こんなの霧舎にしか書けないよ。


・田中啓文「落下する緑」

ミステリとしてもしっかりしているけど、演奏シーンはそれ以上の迫力。


・西澤保彦「依存」

依存 (幻冬舎ノベルス―幻冬舎推理叢書)

依存 (幻冬舎ノベルス―幻冬舎推理叢書)

いくつもの謎を惜しみなく振る舞い、ふとした言葉やロジックも、後になって活用されるようになる。こういうの読みたかったんだよ!
「ミステリというフィールドで出来ること」のすべてが詰まっています。


・法月綸太郎「ノーカット版 密閉教室」(講談社BOX)

ノーカット版 密閉教室 (講談社BOX)

ノーカット版 密閉教室 (講談社BOX)

再読ということが信じられないほどの衝撃。
装丁のペラペラ具合もまた良しと思えるのは、講談社BOXでこれだけ。


・法月綸太郎「ふたたび赤い悪夢」

ふたたび赤い悪夢 (講談社文庫)

ふたたび赤い悪夢 (講談社文庫)

とにかく凄い密度。
力を失くした名探偵が再生する姿は必見です。


・法月綸太郎「二の悲劇」

二の悲劇 (ノン・ポシェット)

二の悲劇 (ノン・ポシェット)

反転タイプの傑作。詳しいことを言ったらネタバレになります。


・東野圭吾「どちらかが彼女を殺した」

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

ここまでギミックの密度がありながら、なお隠しきるその挑発。


・山口雅也「生ける屍の死」

生ける屍の死 (創元推理文庫)

生ける屍の死 (創元推理文庫)

異様な世界、華麗な論理、そしてピュアすぎるパンクス。


・山口雅也「ミステリーズ 完全版」

ミステリーズ《完全版》 (講談社文庫)

ミステリーズ《完全版》 (講談社文庫)

「不在のお茶会」のラストに痺れた! メタフィクションの限界へ挑んだ作品集。


・横山秀夫「第三の時効」

第三の時効 (集英社文庫)

第三の時効 (集英社文庫)

刑事達のアイデンティティが、本格ミステリとしっかり結びついた良作。「ペルソナの微笑」の構成が鮮烈。