Jリーグサポーターとパーソナルカラー第二弾

長い前置き

先日、少しばかりショッキングな出来事があった。
愛するグランパスの赤いユニフォームが似合わなくなっていたのだ。

瑞穂での試合が終わってマスコットグリーティングに向かうために化粧室で鏡を見たら、恐ろしく顔色の悪い自分が映っていた。
別にこの日体調が悪かった訳ではない。前の試合の時に試したお直し用の優秀な某プチプラパウダーも持ってきていたので、塗り直せばそれなりに整えられると思った。5月の試合でも真夏日で大汗をかいたけれど、これで美白マット肌を取り戻せたのだ。
ところがいくらパウダーを塗り直しても肌の質感が戻らない。というよりも化粧しているように見えない。「これ今本当に顔に乗っているの?」というくらい変わらない。
確かに照明は豊田より暗いが、それだけでマットに作った肌がこんな風に見えることはない(ライブハウスに通っている人間が言うのだから間違いない)。
パウダー以外の化粧品も前回とフルセットまったく同じ。


違うものはたったひとつ、ユニフォームだった。昨シーズンから応援しているゴールキーパーの選手のユニでもなく、前回の豊田で配布されて着ていたシャーベットイエローのガールズユニでもなく、約一年ぶりに着た赤いユニフォーム。
それは正式なユニフォームからデザインの簡略された廉価版で、襟のVネックが蛍光オレンジ色に切り替えられていた。
パーソナルカラー・サマーの鬼門とされる色が顔色と化粧を打ち消していた。

パーソナルカラーとユニフォーム

もちろんデザインに非はない。私には合わなかっただけで、この襟のおかげで綺麗に着られたというイエローベースの人もきっといると思う。
(付け襟か何かで対処できないか考え中)


少し話は逸れるが、切り替えのパターンが功を奏す場合もあって、たとえば私は2018シーズンのアルビレックス新潟のユニフォームを所有している。これはオレンジ×青の縦真っ二つツートンで、襟のVネック部分が青。だから蛍光オレンジに苦手意識のある私でもすんなり着られて馴染んでいる。顔周り大事。


Jリーグサポーターはチームカラーやユニフォームを基準に、いわばドレスコードのようにコーディネートしたり、他の服や小物を買うことがよくあるので、自分に合う着こなしや応援スタイルとの兼ね合いに悩む人も多いだろう。
パーソナルカラーについて復習すると、簡単に言えば人の容姿や雰囲気をいくつかのパターンに分けて分析・プロデュースする考えの一つ。イメージコンサルタントといって、肌の色だけでなく骨格や顔のタイプなど様々な観点がある。それに沿ってプロデュースすることでその人の持っている美しさを引き出す手段である。
着たい服は着ればいいが、これが威力を発揮するのはビジネスやフォーマルの場であると言われている。

ユニフォームはフォーマルウェアである

試合会場でおしゃれすることの是非はよく話題に上がるが、ここで私は「サポーターにとってユニフォームはフォーマルウェアである」という仮説を立てたい。
フォーマルウェアを綺麗に/美しく着たいと思うのは当然のことだと思うし、そのために自分をケアしたり、コーディネートやTPOを考え、周りの目を気にするのも当然あっていいことだと思う。その姿を見せたい相手や同伴者のことを考えて着ることもあるだろう。
それでも個々に譲れないポイントや、ドレスコードを守りながら自分を表すこだわりを忍ばせることだってできる。
そして何かの理由(病気や障害など)で配慮が必要ならそれも守られるべき。


あと清潔感。以前よんどころない事情で鳥栖のゴール裏に入ったら、デオドラントシートの匂いがして感動した。うちもああいうスタジアムにならないかな……パートナー企業のDiNOMENさんと資生堂さんに密かに期待。


ライブや夏フェス、サッカーと関係ないイベント、果ては免許証の写真撮影などにユニフォームを着てくる心理も「それがフォーマルだから」で説明できる。
持っている服の中で一番立派で(だいたい一番高い)、自分が最も強くて格好良くなれるとっておきの服だから着てくるのだ。
*1

結論と余談

水樹奈々のJUMP!という曲に「最上の笑顔で行こう! 新しい戦闘服-ドレス-着て」という歌詞があって、私はそれがとても好きだ。戦闘服と書いて、ドレスと読む。
その舞台に臨むための勝負服のように、大事なカラードレスのようにユニを着るからこそ、自分の好きなスタイルや似合う色を吟味してそのコーデと試合の日を楽しみたい。


勝敗の世界である以上笑顔だけではいられないが、こんな脳天気なサポーターが1人くらいいてもいいと思う。
私自身は暗い人間だけど、とびきり可愛く元気いっぱいに盛り上げようとするマスコットのグララを見ていると、その活気がどんなに必要とされることか分かる。


楽しんで勝ちに行くために、私たちはユニフォームを着るのだ。


余談だけど、移籍してすぐの選手がチームに馴染んでいるのが傍目にも分かりやすかったり、古巣に戻った選手が「やっぱり○○のユニが似合うね」と言われたり、逆に何年経ってもしっくり来ないようなケースがあるのも少なからずパーソナルカラーに関係していると思う。
玉田圭司選手がV・ファーレン長崎に移籍してからライトブルーのユニ姿を見て、その透明感に驚いたものである。彼たぶんブルベ夏だったんたな……。

*1:通気性も良くて動きやすいからライブにユニ着ていくの大好き! 体の可動域が普通の服と全然違う。

LAMP IN TERRENに突然ハマった人の話

LAMP IN TERREN、略称テレン。
長崎県出身4人組、26〜27歳にして結成12年となるバンド。すべての作詞曲をボーカル・松本大が手がけ、代表曲に「緑閃光」「ボイド」などがある。


……といったことを全く知らず、そもそも邦ロックというジャンルをあまり熱心に聴いてすらいなかった人物が如何にして4ヶ月間を駆け抜けていったかの、これは記録である。
先に言っておくけれど音楽的に細かい話はあまりしていません。

出逢い

話は2018年11月20日に遡る。
日頃主にヴィジュアル系を聴いている私の、その当時他ジャンルで唯一通っていたクアイフというバンドのライブだった。
出演者は3組。CIVILIANはさすがに名前を知っていたけど、もう1組は聞いたこともないバンド。
会場に着くと1組目はすでにステージにセットが組まれていて、どうやら目当てのクアイフらしいと分かったので前の方に行く。
この日のクアイフはインディーズ時代の曲を主役にした構成で、彼女らの音楽にノスタルジックな名古屋系の匂いを求めている私にはとても嬉しいセットリストだった。アップテンポの曲でも聴かせるような演奏で、おそらく対バン相手を考慮してそうしていたのではないかと推測される。
そして今から思えばそこからの歳月に至るまでの伏線であり、秒読みでもあった。


クアイフの出番の後、満足していったん下がりつつ次のバンドのセッティングを観察していた。なんでこのジャンルはいつでもカーテンフルオープンなんだろう?
そのバンドの中に目を引く人がいた。
立ち位置からしてボーカル。長身で、何かその人の周りだけ、流れている時間が違っていた。
いや、彼こそがこの時間の針の中心であるようだった。「私きっとこの人のことが好きだ」と直感した。まだ声を聴いてすらいないのに。


それがLAMP IN TERRENだった。
1曲目がまた良かった。低音域から始まり、徐々に広がりながら歌を聴かせる曲で、それでいてダンサブルな要素もあり重くならずに美しい、とても好きな感じの曲だった。後からWater Lilyという曲だと知った。今でも一番好き。
フロアのセンターやや上手寄りにいた私はボーカルから目を離せないまま、2曲目が終わる頃には「このバンドはしっかり見たい、私もあの熱狂の中に入りたい」と思い前方に足を踏み出した。


すると、ステージの下手から猛然とセンターまで突っ込んできたベーシストの姿が初めて目に入った。
輝く笑顔で、まるで主旋律を歌うように弾き、歌ものだろうとバラードだろうと暴れ狂っていて、でも熱くて安心感のある音。
あと顔がすごく好み。DIR EN GREYのToshiyaさんに似ている(言い忘れていたが私はToshiya虜である)。
「このベース魔物だ」
そう思った時には、既に心を掴まれていた。
終演後に一番最近のアルバムを購入して、ちゃっかりサインまでもらっていた。

間奏

それからの私がどうしていたかというと、12月に発売されたアルバム『The Naked Blues』を買って聴く以外にこれといった行動はしていなかった。石投げないで。J1残留争いに集中していたし、残留決まってからも気が抜けて何もできなかったし、移籍シーズンとクリスマスと年末年始の大繁忙期で毎年使い物にならないんだこの時期は。


とはいえアルバムはよく聴いた。
メロディがはっきりしていて、同期も使って分厚い音にしているけれど、何よりも歌を大事にしていることが分かる。
どことなく90年代のバンドの匂いがして、直接影響は受けていないと思うけれど名古屋系っぽい感じもする。
思春期的な繊細さと強さを宿した歌詞も好きだった。
貫禄もあるし同年代くらいかと思っていたら予想よりだいぶ若かった(ちょっとショック)。

転機

運命の車輪が動いたのは2月である。
Jリーグの開幕節、グランパスの最初のカードはアウェイ鳥栖、J2アルビレックス新潟はアウェイ京都。ならば京都に行けないかとギリギリまで考えていたのだが家庭の事情により頓挫。名古屋から動けないことが決まった私は怒りに任せてテレンSPADE BOX公演のチケットを取った。


この時、なぜか手紙を書こうと思った。
あの魔物みたいなベーシストを褒めちぎりたくなったのだ。
ライブ前に別件で待ち合わせた友人と「今日このバンドのライブに行く」「こういうところが好き」と話しながら書くことをまとめて、どうにか開場時刻までに書き終えたのに間違えてロッカーに閉じ込めた(終演後にスタッフさんに預けた)。


初めてのワンマンで緊張していたが、定刻になると開演SEとしてショパン夜想曲が流れ始め、静まり返る客と反対に妙なホーム感を覚える私。こういうのヴィジュアル系で見た。


セットリストは大きく前半・後半に分けられ、前半はダウナー系の聴かせる曲、後半はライブ向きの盛り上がる曲をまとめていた。あの重い曲満載の『The Naked Blues』をワンマンの尺でどう表現するのかと気になっていたが、この構成はシンプルなようでどちらの味も損なわずしっかりと表現できるコロンブスの卵だと思う。
亡霊と影、花と詩人、それからinnocenceも良かった。ミラーボールが好きだから、地球儀で回り始めた時は嬉しかった。


ただ名古屋は前回のツアーよりもキャパが下がってしまっていたらしく、それはメンバーも気にしていた。
MCで松本大は言った。
「こんちくしょうという気持ちもあったけれど、後ろの方までたくさん入って来てくれていて本当に嬉しい。このキャパだから出せるものを見せたい」
このすべてを口に出来るのは素晴らしいことだと思う。
またこうも言っていた。
「友達に(音楽で)てっぺん取った奴がいて、俺はそいつを殺したいと思っているんだけど」
最高だなこの人。このバンドでてっぺんを取りたい、そこまで進んでいきたいと語る人が私は好きだ。
このMCとBABY STEPを聴いて、改めて大くんのことを好きになった。

そして事件

それ以来すっかりハマってしまったのだが、あいにく名古屋でのライブは予定されていない。
ツアーの大阪公演は名古屋の前日だったから終わってしまっているし、それ以外は遠い、ファイナルの恵比寿リキッドルーム公演が行われる3月16日はアルビのアウェイ横浜FC戦。すでに開幕京都戦を棒に振ってしまっているから、数少ない近場アウェイを悪天候や体調不良以外で削りたくない。
諦めよう。キックオフに遅れないよう前乗りして、横浜にだけ行って帰ろう。


……と思っていたのだけど、前日ちょっとした事件が起こり気がついたら私は東京行きの新幹線に乗っていた。
混乱したまま新幹線のテーブルでひたすら紙に頭の中の言葉を書き出し、ホテルを取り直して駅前の本屋でレターセットを買い、ひとり部屋で再び手紙を書いた。一体私は何をしようとしているのだろう。まだチケットも取っていないのに。


翌日、ニッパツ三ツ沢球技場で無事に応援している選手の出場とアルビの勝利を見届けると、私は一目散に横浜駅に戻った。
横浜駅からリキッドまでは遠いと思っていたのに、時刻表を検索したらなんと電車1本。しかも30分ほどで着くから充分ハシゴできる。
ユニフォームを着たまま恵比寿の街を走り、当日券でリキッドルームの上手へ飛び込んだ。開演10分前のことである。


そう、ツアーが始まってからベースの立ち位置が上手に変わっていた。だからフロアの上手から入場する構造のリキッドで、到着が遅くても私は中原健仁の前にいられた。
一般的にロックバンドのベーシストは下手にいることが多いけれど、私はBUCK-TICKやLaputaのJunji(現C4)を見てベースに興味を持ったから好きなベーシストは上手にいるべきだと思っている。だいたい、オーケストラのコントラバスは上手にいる。


そんな大忙しのスケジュールだったけど、本当に良いライブだった。
at(liberty)も聴けたし、「皆が自分のことを愛して前に進んでいけるように、今、背中を押します」と言って歌ったBABY STEPはここ何年かで見たライブでも指折りの名演。
最後に日比谷野音でライブを行うことを告知。


その後

半月後、まだ一向に名古屋のライブの予定がないテレンのために今度は岐阜行きの電車に乗っていた。
仕事が終わった後に出順非公開18時半開演のイベントに向かうべく、18時半名古屋発の電車の中に。いわゆる定時ダッシュ
3組だから主催バンドは最後として、トッパーだったらまず間に合わないか、1曲聴けたらいい方。
結果的にテレンは二番手だったので最初から最後まで聴けたけれど、我ながらよく行ったと思う……。



以上が、私がLAMP IN TERRENに突然ハマってから過ごした11月〜3月までの話である。
けど、話のほとんどが2月24日からの1ヶ月半に集中しているのがどうかしている。
次にライブに行くとすればいつだろう? 楽しみにしながらその日を待っている。

THE MICRO HEAD 4N'S Tour Each Future

THE MICRO HEAD 4N'S(以下マイフォ)の現メンバー体制最後となるツアー”Each Future”名古屋公演に行ってきました。


2012年にdefspiral主催ライブで見てギターのkazuyaさんに一目惚れし、ワンマンライブにも行くようになってから早7年。
途中で初代ボーカルであったRickyが脱退し、新たにNimoが加入。グランパスが忙しくなったのを境に足が遠ざかっていたが、Crazy Monstersやdefspiralとのカップリングツアー等の対バンで再び目にするようになり、それがとても良いライブだったので去年の8月に久々のワンマンへ。
そこでフロントマンとして、ボーカリストとしてNimoをようやく好きになって、ついでに沼落ちしてNimoクローン(マイフォではファンをマイクローンをといい、メンバーそれぞれのファンは○○クローンと表す)となった。旧譜やNimo名義のソロアルバムも買い揃えた。


Nimoの脱退が発表されたのは、それから2か月足らずのことであった。

4.12

脱退発表後の全国ツアーを終え、この4月が本当の最後の東名阪ツアー。
名古屋公演は初日。整理番号が遅かったので開場時刻を少し過ぎてell.FITSALLに着くと、すでに大半の人は入場を済ませており、私は後方センターから見ることにした。ステージ上手のkazuyaさんも、Nimoもしっかり見える位置を確保。

開演SEとともにメンバーが登場すると、一曲目はNimo体制の始まりであるSCANDALOUS。
Labyrinth、PERSONAと曲が続く。当たり前だけどNimoのためにかかれた曲が大半で、Ricky体制から引き継いだ曲は雷鳴、MONSTER'S ROAR、EARNEST GAMEだけだった。たった数曲を手がかりに進むべき道を模索していた4年前からNimoとマイフォはここまで育ったのだと思うと、言いようのない感慨と、惜しい気とを感じる。


私が思うに転機は2つあって、ひとつはDeeper Than Black、もうひとつは上限の月のオーケストラ。どちらもNimoのボーカリストとしての特性と曲の美しさ(音域、暗さ/明るさの種類や温度など)がしっかり合致して、マイフォの物語の扉を開けていった曲だった。
Vanillaのような曲を痛々しくなく優しく温かく歌えるのも、Candy Snowの切なさと甘さを噛みしめるように歌い上げられるのもNimoならではだと思う。
こういった切ない曲を歌う時でさえ、Nimoは「今」と「未来」というワードを離すことはない。


だからというべきか、しかしというべきか、このライブ悲壮感が微塵もない(褒めている)。
MCでさえ別れの言葉らしいことを全く口にせず、激しい曲ばかり休みなしの連続7曲(水飲ませて)、自ら「楽しもうぜ!」「踊りたいよな?」と煽る姿は、脱退ツアーとは信じられなかった。もしかしたら普段以上に「楽しませよう」と臨んだのかもしれないけれど。


本編の最後は銀河鉄道の夜
Nimoのいるマイフォを象徴するのはやはりこの曲だと思う。マイクローンのコーラスに彩られながら、明るい光に溢れた未来を追いかけていく曲。
Rickyが始まりと再生を歌うボ-カリストなら、Nimoは未来を歌う人だった。


アンコールもしんみりすることなく駆け抜け、フロアには銀河鉄道の夜が流れ始める。
その音源に合わせて合唱し、終わると拍手をして「もう一回! もう一回!」とコールしてWアンコールを引き寄せるクローン。元気すぎる。
バス旅行かな?


最後には「また逢おうぜー!」とまで言うのである。
楽しんで笑顔で帰ってまた日常を元気に過ごしていくための、それはどこまでもマイフォらしい明るいライブだった。
感傷的になるまでもなく、あっという間に終わってしまった。

4.13

Nimoに言いたいことはただひとつ、「ありがとう」の言葉である。
マイフォのメンバーになってくれて、kazuyaさんの曲を歌ってくれて、楽しいライブを届けてくれたことに、私はとても感謝している。
特に冒頭にも書いた去年8月のライブは個人的に特別なライブだった。

こんな時でさえNimoは未来のことばかり口にして笑うから、皆の未来も明るいものであるよう願う他はない。

ケイト・モートン『秘密』

『秘密』、女優のローレルが母・ドリーの第二次世界大戦中に残した秘密を追う小説。
傑作です。マイオールタイムベスト級と言ってもいい。


ストーリーはカットバック形式で、現在と過去を行き来しながら母親のかつての友人、ロンドンでの暮らし、そして恋人について語られていきます。
現代のローレルも途切れ途切れの母の証言をもとに捜査を続けていきます。カットバックのどこにも緩みはなく、いつまでもページをめくっていたくなるような構成。


やがて暴かれていく秘密は、母が守り抜くために必死で生きてきて、でも誰かに分かっていてほしかったもの。真相の悲しみと物語の運びや終幕の美しさに打ちのめされる。
ニ月から『秘密』以外にほとんど本を読めていなかったけど、こんなに美しい傑作を読めたなら全然構いません。


邦訳されている既刊も読みたい。
その前に、と本作も再読。上巻は伏線を拾い集めて興奮しながら読みましたが、下巻に入った途端に辛すぎて読めなくなってしまいました……。ここからの展開が悲しすぎる。キャラクターが生きているだけで辛い。

人にすすめたくなる小説というのは、もちろん面白いとかきっと気に入ってもらえる等の理由もありますが、ある種の作品には「誰かこの重さを一緒に背負ってくれ」と思わせるものが備わっているから読んでほしくなるのだと思います。
ケイト・モートンはこれが強いから配る勢いですすめたい。
未読の方、是非この『秘密』をともに背負ってください。

パーソナルカラー診断を受けました

数年前から

  • カジュアルな格好→黒ばっかりになる
  • いったん離れていたグランパスの応援を再開し、赤い小物が増える
  • DIR EN GREYにハマり、好きなメンバーのカラーである青い服が爆発的に増える


と服装遍歴の激変を繰り返しており、服や化粧品を買う時にも迷いがちだったことからパーソナルカラー診断を受けた。
結論から言うと、おすすめです。目から大量の鱗が落ちます。

実施店を選ぶ

PCの理論や各タイプの説明は割愛して、まず店舗選びの話から。


はじめは「服は黒かネイビーばっかりだし、デパートとかで顔から上だけ見てもらえればいいのでは? 」と考えていたのだが、流行っているだけあって全く予約が取れないので個人営業のサロンを探すことに。
「○○市 パーソナルカラー診断」など、自分の行動できる範囲の地域で検索するとホームページが出てくる出てくる。お店によってはPCだけでなくメイクレッスンや骨格診断のメニューを扱っているところもあり、価格もここでチェックできる。
私は初対面の人の前で緊張しやすい性格なので、そういったオプションメニューはとりあえず考えないことにして、雰囲気重視で探した。
ここが優しそうだし良いかも?と思ったお店が運良くお手頃価格だったので、そのまま空き時間を確認してweb予約。

当日の流れと診断

予約の際、「できるだけ素に近い状態で行うため当日はメイクをなるべく薄く、リップとチークはなしで」というお話があったため、限りなく薄い顔でサロンへ。
イメージ通りのふんわりした先生だった!


ご挨拶の後、まずは質問用紙を書きつつカウンセリング。サロンをどこで知りましたか、受けようと思ったきっかけは、よく着る服の色は等々。
パーソナルカラーの理論についてもここで話してもらえたので、ふわっとしか理解していなかったり自分のタイプがはっきり分からないまま行っても大丈夫だと思う。
(自分ではアットコスメや雑誌などから推測するとスプリングかサマーだと思っていた)


ちなみに私のよく着る服は赤黒ネイビーが多く、その次にピンク。赤の中でもワインレッドが好きで、それに合わせるために黒やネイビーを着ている。典型的なユニに合わせて服を買うサポ。
先述の服装遍歴の途中、推し選手がオレンジとブルーのクラブに移籍したり、イメージカラー緑のキャラにハマったり、メンバーカラーオレンジのバンドマンに沼落ちしたりしたけれど、なぜかそれらの色は増えなかった。あっても1、2着か小物ひとつ程度。
派手なメイクが性に合わないので、カラーメイクもピンクブラウンが中心。コーラルも以前使っていたけれど、歳が上がるにつれ淡いコーラルでは顔が明るくならないように感じたためあまり使わなくなって、チークはクリアレッド。


このような話の後、両腕をそれぞれシルバーとゴールドの紙の上に置いてどちらが馴染むかチェック。
馴染む、というか透明感が出るのはシルバー。先生曰くこの時点で「完全にブルーベースのサマー」とのこと。


髪質や色、瞳の色も見て、パーソナルカラー診断の代名詞(詞?)ともいえるドレープの登場。青赤緑など8色×その色ごとの春夏秋冬向きの布を使用したドレープのうち、各色どのような色味が似合うのか(または肌が綺麗に見えたり顔が明るくなるか等)を見ていきます。


以下私の特徴をまとめると次のようになります。

  • 髪(地毛)は黒く柔らかい
  • 瞳は薄く明るい茶色
  • 日焼けすると赤くなって腫れるがそれほど黒くならない。色が変わっても自分にしか分からない程度。


言われてみれば完全にブルーベースの特徴そのまんまだ……。
続き。


  • 全体的に明るい色、それも原色ではなくパステル系のきれいな色が適している。1stがサマー、2ndスプリング。スプリングのうち黄味の少ない淡い色もいける。
  • ウィンターも青みカラーだが、あててみると顔が負ける。蛍光ペンのような色はあまり合わない。
  • ピンクはやや青みのパステルがベスト(オータムのサーモンは避けた方がいい)
  • 白は蛍光でなければ良い。アイボリーやピンクベージュの入ったものが合う。
  • 赤も原色や朱色より明るめが良い(要するにオータム以外)


途中から先生がコメントを省略しはじめるレベルでオータム似合わない。しまいには「オータムは買わなくていいです」とまで断言される。じっくり話を聞いてくれる優しい先生もそこはキッパリしていた。



そういえば試合の入場特典でもらった原色の赤Tシャツは全然着ていない。
このような「持ってはいるけどあまり着ない服」や「しだいに使わなくなった化粧品」が発生するのは、なんとなく無意識下で合わないことを自覚して自然と使わなくなる傾向があるからだそう。
逆に、そんなに好きだと思っていなくても特定の色をよく集めてしまうのは自分に合っているから、というパターンもあるらしい。
サマーはモノトーンのうちグレーが似合うという話になった時は衝撃が走った。なぜならこの日着ていたコートがまさにライトグレーだったからだ。


すでにお分かりかもしれないが、これまでの話で私の服装遍歴の謎がいくつも解かれている。

  • なぜあれほどあった沼のうち青だけが爆発的に増えたのか
  • なぜオレンジグッズはさっぱり増えなかったのか
  • 愛する赤であっても着ない服が出てきてしまう
  • そういえばワインレッドも青みが強い
  • コーラルのチークが発色しないように見えたのはブルーベースの地肌と合っていなかったから


これだけの伏線が回収されたのである。
……ファッションというよりミステリクラスタの楽しみなのではないだろうか。「サマースプリング」という駒を倒すとドミノ倒しが始まる泡坂妻夫の世界。


余談だが明るいパステルが合うという傾向のうち例外がオレンジで、これは全く当てはまらない。着たいなら顔周りから遠ざけるか、キャメルに近いオレンジかベージュ寄りならいけるとのこと。キャメルのジャケット持ってる。怖い。
オレンジ系で、これならいける!と思う化粧品も持っているが、よくよく見るとベージュかピンクに近い発色だった。
こういった「PC的に馴染まないけれど着たい」色を身につける方法もアドバイスもしてくれるから、どうしても好きな色や推しカラーにこだわりたい方は相談してみよう。勇気ある人は診断の前に推しカラーを申告しておいてもいいかも。

結論

着たい服、使いたい化粧品はちゃんと使ってあげればいい。それは自分のためだから。

パーソナルカラー診断はむしろ何を選べばいいのか迷う時か、私の泡坂経験からすると贔屓のチームカラーや推しカラー、メンバーカラーがある人にこそおすすめだと思う。大事な試合やライブに向けて買うべき服/ユニとそれに合わせるコーデ、化粧品についてもう悩まなくていい。

Angelo『RETINA』

昨年末に初めてAngeloのライブに行ってから、音楽に使う時間の大部分をあてて聴き直したり、買い逃していたアルバムやDVDを集めたりと坂を転がり落ちるように熱中しております。遠征はしないのでライブは地元での公演を見に行くだけなのですが。

それまで

もともとPIERROTは昔少し聴いていて(曲が好きという程度)、解散後も三人が同じバンドで活動しているということは知っていたのですが、その頃の音源はピンとこなかったのでそれ以上追いかけないでいました。


そんな中、Twitterでフォロワーさんにすすめられて手に取ったのがアルバム『RETINA』でした。
新メンバー加入により、キリトさんの歌詞はブレることのないまま世界を広げ、Karyu独特のメロディアスな曲が華となって群生し、同時にツインギターの音が入ることで重低音はソリッドに浮かび上がり強調されていく。
それは生まれ変わって両翼を与えられ、風に乗って飛び立つ新生Angeloの音楽でした。



私は次のアルバムの『FAITH』も好きで、争いの世界とその収束に希望を見出す長編小説のようなストーリー性、そしてKOHTAさんのベーシストらしい感性の表れたCONTRACTという曲をAngeloで一番愛しています。

その後

色々あって全くタイミングが合わず、さらにJリーグへ出戻り、2015シーズン中盤からはバンドの開拓をしている場合ではなかったため、何枚かのアルバムを挟んでようやく昨年冬のツアー名古屋公演でライブへ。


まず驚いたのは音が安定していること。ほとんど直方体と言っていいほど常に一定のタテヨコ高さを保ったままそれが迫ってくる、経験したことのないような音だと感じました。
メンバーの中では音源の印象からKOHTAさんが好きだな〜と思っていたので、下手側後方から「格好いいな〜またライブ行けたらいいな」と見続けていた最後の曲で事件は起きた。
キリトさんがツカツカツカと下手に歩いてきたと思ったら、その勢いのままギルの頭を掴んで折りたたみをさせ始めた。困った顔で笑いながら折りたたまれるギル。


衝撃のかわいさ(音楽関係ない)。


白状するとこの瞬間まで、ギルの存在はまったくのノーマークでした。だってベーシスト好きだし音もベースを聴き取ろうとしていたし、ハマるならTHE上手ギターだと思っていたのです。
ノーマークだった存在をいきなり意識した、というパターンはおそらく一番狂った落ち方をすると思います。
終演後、まさかと思いながら物販でロトを買い足すと、ギルのサイン入りステッカーを引き当てるビギナーズラック発動。
「落ちるしかない」
私は直感した。


それから

こうして私はギルかわいいに染まった。
好きなメンバーや気になるフレーズを見つけると、人はそれを手がかりにもう一度音楽を分解・再構成して聴いていきます。
改めてギターを意識して聴き直すと、意外なことに他のパート、特にドラムを聴き取りやすくなったように思います。


Angeloは「この音だからこの歌詞」「この歌詞だからこの音」という相互関係が明確で、その上で凝りに凝った譜面を書いて表現をしているので興味が尽きません。化粧を必要とする音楽って良いですね!


またツアーの折には是非ライブに足を運びたいと思います。DVDを見ながら、その時を楽しみに待っています。

myチェキの話

はじめに

ビジュアル系のバンドでは、メンバーのポラロイド写真(チェキ)をくじ引きでランダムに販売することがあります。
価格はだいたい500円か1000円。1枚1枚違う写真だったり、サインの書かれた当たりチェキが入っていたりとトレカとはまた違う形でコレクター心をくすぐり、同時に効率よくお金を落とせる(バンドにとっては売上になる)システムです。当然セットでチェキホルダーも物販で売られているし、CDリリース時のインストアイベントではメンバーとのチェキ撮影会もよく開催されています。
このようにビジュアル系が好きな人にはわりと身近なものなので、チェキ本体、つまりカメラを持っている人もたまに見かけます。

きっかけ

それはもう4年前になりますが、中村直志さんが現役を引退されると聞いてグランパスに出戻り、翌年新たに応援したいと思う選手を見つけた時のことです。
昔は「試合さえ観られればそれで良い」と思っていたのですが、defspiralのライブに行くようになって数年が経ち、ファンレターを書いたり、イベントで顔を合わせCDやライブの感想を話し、応援の気持ちを伝えることが身についた私は、ごく自然にサッカーでもそれをしたいと思うようになっていました。


「推しにファンレターを書き2shotチェキを撮りたい」
「サッカー選手のチェキが欲しい」


手紙の話は割愛するとして、まずは一番ベーシックなinstax mini 8を探してみることにしました。

カメラの話

現行のモデルだけでもいくつか種類があり、カメラだけでなくスマホの画像をチェキフィルムに印刷するもの、大きいサイズのフィルム、さらに最近はスクエア型に印刷できるもの等バリエーションも豊富です。詳しくは富士フイルムのwebサイトへ。


instax mini 8は前述の通り一番ベーシックなモデルで、機能は非常にシンプル。
特徴と注意点は

  • 基本的にポートレートに適している
  • 晴れ〜くもりの屋外orある程度明るい室内で、対面している人を撮る距離がベスト
  • そのためあまり接近しすぎるとピンぼけする(別売の接写用レンズで解決)
  • 夜や暗い部屋、遠景もうまく撮れないことがある。闇に溶け込みがち。
  • 明るさはダイヤルで調整する
  • フラッシュの範囲も対面している人を写す距離なので風景はうまく撮れないこともある

といったところ。アナログです。
それからフラッシュ強制発光なので、シャッターを押す前に相手なり施設なりに確認する癖をつけるのがいいと思います。というかしようね! だいたいの人は急に眩しくなったら嫌がるか、驚いて目を瞑ってしまいます。
後続のもっと高スペックのモデルでは接写やフラッシュや明るさの問題に対応しているものもあるので、余裕がある人はこちらもいいと思われます。


本体さえ買ってしまえばあと最低限必要なのはフィルムくらいで、10枚ひと組でカセットのようなものを充填して使っていきます。
余白部分に柄の入ったフィルムもあり、それはそれでとても可愛いのですが私は白いフィルムを使っています。
なぜならバンドマンのようなチェキを求めているから。


そう、動機は「撮りたいものがあるからカメラを買う」「カメラを持ってみたい」ではなく、サッカー選手のチェキが欲しいから。ならばバンドで売っているチェキの体裁に寄せるべきなのです。

使い方の話

  • 実店舗のカメラ屋さんではチェキ本体とフィルム20枚、アルバムや書き込み用のペン、デコテープ等がセットで10000円くらい
  • ネット通販だと本体+フィルム枚数は忘れましたが7000円弱〜、セット内容を増やすにつれ価格はアップ

というところが多く、アルバムはバンドの物販で買えばいいや〜と安易に考えて(我ながらよく調教されている)後者で購入。
持ち運ぶ時は本体と換えフィルムと細マッキーをポーチに入れています。


クラブにもよりますが、Jリーグは選手と直接逢えるような機会が多いのが魅力のひとつです。
最初に2shotチェキを撮ってもらったのは忘れもしないファン感謝デーで、グランパスは日によって練習後にファンサービスの時間を設けているため、そこでも写真を撮ってもらったりサインを書いてもらえたりします。推しが移籍するまではよく通っていた。
地域のイベントに出演したり、試合の告知のためにチラシを配ったりすることも。なんて良いところだろうJリーグ

白フィルムチェキの良いところは、撮ったその場でサインを入れてもらえること。
意外とベテラン選手の方が「雑誌の撮影でポラを撮って、サインを入れて読者にプレゼント」などやっていたからなのかすんなり意図を理解してくれたりします。


そしてマスコットを撮る時も大活躍。

ふんわりした写りがグランパスくんのもふもふ感をさらに可愛らしく見せてくれます。
世界で1枚だけのグランパスくんチェキをこの手で撮れる喜びといったらありませんね。


ポートレート撮る上で参考にした本はこちら。

パパとママのための にっこり写真のレッスン (ヨシモトブックス)

パパとママのための にっこり写真のレッスン (ヨシモトブックス)

写ルンです並みにシンプルなカメラなので、通常のカメラのテキストよりもこういう本が役立つ。

収納の話

専用のアルバムが販売されている他、タワーレコードの推し色チェキホルダー(バンドやアイドルのファン向け商品)をクラブカラーで選んでも楽しいかも。
チェキはカードサイズなので、ポケットに収納するタイプのアルバムなら名刺ホルダーで代用できます。


ただしチェキは劣化しやすく、紫外線や湿気でも色あせてしまうので、用心するなら台紙に貼り付けて透明フィルムでコーティングするタイプのアルバムが良いそうです。デコり甲斐もある。
またカメラ屋さん(写真屋さん?)でL版写真に焼き直すことも出来るので、気に入ったチェキが撮れたら早めに持ちこむのもおすすめ。