SLAM DUNK単行本を読んでいます②

liargirl.hatenablog.com

映画「THE FIRST SLAM DUNK」を見てから原作コミックスを読み始め、旧版単行本の22巻まで読んだ。県大会決勝トーナメントの陵南戦が終わり、キリのいいところなのでここでブログを書こうと思う。

ベンチメンバーの戦い

まず語りたいのは、陵南戦における木暮の出場である。

私はもう六年間、グランパスの第二GKを応援している。出場する機会が限られていても常に良い準備をして、いつ試合に出てもJ1正GKにも引けを取らないプレーをしてくれる武田洋平を尊敬している。

だから、ずっとチームに居続けて、強力なメンバーが加入してからも彼らの練習や日常を支え、いざ出場すれば起死回生のゴールをもたらす木暮を見て本当に感動したのだ。
湘北バスケ部は層が薄い、ベンチが弱いと再三言われているが、そもそも木暮は赤木のペースについていける人で、まずそこを見誤ってはいけなかった。私達は桜木花道というレッドへリングを掴まされていたのだ。
木暮がチームに貢献する姿がとりわけ日常パートで光るように描かれていたこと、また体育館襲撃事件があのような結果に終わったことも、一種のトリックである。
実力で届かないとしても、木暮を「層が薄い」と見るなら、研究が足りていないのだと思う。事実それを甘く見たが故に点を決められている。それも高い実力を持つ選手の代名詞ともいえるスリーポイントで(ずっと努力していた宮益のことも思い出される)。


その木暮が夢を見たのが三井寿だったというのが何とも切ない。
映画で先に山王戦を見ているので、三井が倒れたシーンは、彼が自分以外の何者でもないと突きつけられたようにも思われる。スーパースターのままでいられなかったという厳しい意味でも、もう一度自分をやり直すという意味でも。

先の話をひっくり返すと、陵南戦は「三井がベンチから応援した」試合でもある。

弱いと言われたそのベンチに、三井寿がいる。すなわちコートには、三井に勝るとも劣らないメンバーがいる。
コート上と変わらない大声で、ベンチから戦う三井に、また私は人は何度でも立ち上がれるという希望を見る。蝋燭の火をもらうように。

だから、あなたの中にある光が消えていないか調べなさい。あなたの全身が明るく、少しも暗いところがなければ、ちょうど、ともし火がその輝きであなたを照らす時のように、全身は輝いている。

ルカによる福音書 第11章35-36節


陵南のベンチワーク、また双方の部員の応援を含め、これほどベンチが重要になる試合が、安西監督不在のまま行われている。
チーム全員で掴んだ勝利だ。
そしてキーパーソンは間違いなく木暮であった。

応援席の人たちのこと

話は変わるが、流川の親衛隊の子たちはおそらく相手にされることもなく、感謝の言葉を受けたりもせず、時には部員たちに締め出されたりしているだろうに毎回応援に駆けつけていて、純粋に凄いと思う。私は「私の入りこむスキマなんてどこにもなかった」という晴子のモノローグに古傷を抉られる側の人間です。
罪を被ってまで応援してくれる友達のことを三井は大事にしなよ……。