※以下の文章では、漫画「東京卍リベンジャーズ」最終巻までの内容に触れています。
未読の方はネタバレにご注意ください。
血のハロウィン〜聖夜決戦までの感想はこちら。
liargirl.hatenablog.com
映画を見て以来コミックスを読破して、何度も咀嚼しているうちに「果たして私は誰を基準にして物語を読み解いているんだろう?」と思えてきた。率直に言うと、誰を推しだと言えばいいのか分かりかねていた。
場地圭介のSFミステリばりのロジックも、三ツ谷の性格もそれぞれ好き。16巻ではあの大寿が支配者どころか組織存続のための挿げ替え可能な首だったことが分かって、大寿の評価がかなり変わった。イザナのことも好きだ。家族は血縁だけではないと、どうにかしてイザナに伝えられなかったのだろうかと悔やまれてならない*1。
推しとは必ずしもいなければいけないというものではないし、トリックが好きならば聖夜決戦箱推しと言っていいのかもしれない。
しかし、彼らに限らないが、東京卍リベンジャーズのストーリーは大部分が男性(少年)社会の話であり、反芻しているうちに疲れてきたのだ。
ついでに話すと、そういう話のわりに奇妙なほど実父の姿が描かれないのも東京リベンジャーズの特徴である。存在してはいるが、登場人物の総数に対して顔まで描かれている「父親」が極端に少ない。この少年たちにとっては父よりも兄や不良仲間の方が、上下関係を伴う、憧れ尊敬しつつ克すべき身近な存在なのかもしれない。
そういった土台を血のハロウィンで築き、聖夜決戦ではカトリックの聖母子イメージと重なることでさらに父親の影が薄められる。これがまるごと伏線として天竺編のイザナへと引き継がれている。
どうしても私は東京卍リベンジャーズをとことんミステリとして読んでいて、そのエピソードごとにトリックの根幹となっている人物に惹かれるのだ。中でもやはり聖夜決戦が好みで、ミステリであると同時にホモソーシャルと家父長制を解体する物語と位置づけている。ならば、そのキーパーソンたる柴柚葉のことを、そろそろ真剣に考えたいと思った。
そうしたら、これ以上ないくらいしっくりきた。なぜ最初から思わなかったのだろう。私が応援したくて、物語の中心にいて、それを解釈するためのものさしは柚葉だった。
最後まで誰のものにもならないのも良い。三ツ谷と恋愛関係になるかと思うような演出のハシゴを盛大に外し、「一方的な想いに罪はない」と八戒だけに言ってロマンティックラブ・イデオロギーに嵌まらない。リスロマンティックの星。どこまでも自分であるが故に、権力構造に都合のいい規範をなぎ倒していく。
見つけた。私が好きなのは柴柚葉だ。
そこで、柚葉のイメージに合うような香水をオーダーした。
単純にグッズになかったのと、柚葉の好きなところを具現化したような香水がもしあれば、私にとっても纏いたいものに近いのではないかと思ったからだ。
【追記】
後半にオーダーの内容と届いた香水のレポートを書きました。
↓
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