2013-01-01から1年間の記事一覧

今年のアルバム2 ーーdefspiral「Voyage」

2013年の本命馬 なのですが、何とも評価の定まらない一枚です。というのも、完成度は最初から折り紙つきであるにも関わらず、リリースされてから(主にライブを通して)曲自身が成長していくため聴くたびにアルバムさえも様相を変えていくからです。 まるで仮…

今年のアルバム1 ーー摩天楼オペラ「喝采と激情のグロリア」

一番聴いた、そして一番良かったと思うアルバムをまとめるシーズンですが、自分のそれはdefspiral「Voyage」と摩天楼オペラ「喝采と激情のグロリア」で最後まで決めかねています。 Voyageはライブなどで見てきた曲の成長や思い入れがある分評価が変動してい…

青柳いづみこ「モノ書きピアニストはお尻が痛い」

モノ書きピアニストはお尻が痛い (文春文庫)作者: 青柳いづみこ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/11/07メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (13件) を見るドビュッシーとフランス世紀末デカダンスの関連や演奏家評、演奏/文筆…

佐々木丸美「花嫁人形」

花嫁人形作者: 佐々木丸美出版社/メーカー: 講談社発売日: 1979/02メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る甘い憧れだけでなく、救いもなく切られて終わる恋を描ききる物語。 ……なのですが大人になってから読むと1/3くらいでもう苦笑が隠しきれな…

佐々木丸美「忘れな草」

忘れな草 (創元推理文庫)作者: 佐々木丸美出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/01/28メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (8件) を見る色々な意味で打ちのめされる作品です……運命のプログラム、その打ち消し、思惑、それにしか…

命日に寄せて

12月25日は佐々木丸美の命日でもあります。 雪の季節に、なんて出来すぎのようですけれど。 「忘れな草」持ってきてるんだけど、この人の小説は読みやすさの問題ではなくセンテンスひとつひとつを噛みしめるように読むからそんなに進んでない。 初めて読んだ…

皆川博子「少女外道」

少女外道 (文春文庫)作者: 皆川博子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/12/04メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る文庫版の解説が良くてほぼ私の感想もそのままなので省略しますが、このタイトルと装丁で腥い残酷な淡々とした文体が良いです…

連城三紀彦「夜の自画像」

Bluff 騙し合いの夜 ミステリー傑作選 (講談社文庫)作者: 日本推理作家協会出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/04/13メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見るこれを読むために光文社文庫版「戻り川心中」を再読していたのですが、…

連城三紀彦「戻り川心中」

戻り川心中 (光文社文庫)作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/01/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 42回この商品を含むブログ (88件) を見る綿密に、隙間なく構成された舞台をただひとすじのロジックで切り崩す傑作。「白蓮の寺」「戻…

トルーマン・カポーティ「夜の樹」

夜の樹 (新潮文庫)作者: トルーマンカポーティ,Truman Capote,川本三郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/03/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 19回この商品を含むブログ (76件) を見るホラー寄り〜リドルストーリーめいた不思議さの残る作品集でした…

皆川博子「結ぶ」

結ぶ (創元推理文庫)作者: 皆川博子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/11/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る水族写真館、花の眉間尺、UBuMe、薔薇密室が良かった! 皆川博子の書く鏡合わせの関係が好きです。

連城三紀彦「どこまでも殺されて」

どこまでも殺されて (新潮文庫)作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/07メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る横田パートに対して”僕”パート(特に冒頭)が濃くて、なんべん手玉にとられてもやっぱり連城トリックに…

伊坂幸太郎「チルドレン」

チルドレン (講談社文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/05/15メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 68回この商品を含むブログ (451件) を見るこれは再読積みだった本。伊坂の連作短編集では特にまとまりのいい作品だと思います。 「フ…

連城三紀彦「明日という過去に」

明日という過去に (幻冬舎文庫)作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 1997/04/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る手紙という告白の文書にして嘘の応酬、見破ろうとするよりただ読みすすめるのが遥かに面白い。

佐藤友哉「ナイン・ストーリーズ」

ナイン・ストーリーズ作者: 佐藤友哉出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/08/29メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見る改めて読むと「ナオミに捧ぐ」は「エズメのために」よりも未来を見ている作品だと思います。切迫した手紙…

山口雅也「ミステリーズ[完全版]」

ミステリーズ《完全版》 (講談社文庫)作者: 山口雅也出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/07/15メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (29件) を見るもう何度も読んでますが、今回が一番「解決ドミノ倒し」が楽しかった!

佐々木丸美「罪灯」

罪灯 (創元推理文庫)作者: 佐々木丸美出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2009/11/30メディア: 文庫 クリック: 10回この商品を含むブログ (8件) を見る館三部作・孤児四部作が犯罪を目の当たりにした少女の視点なら、「罪灯」は犯意と狂気の正しい位置さえ…

高木敦史「”菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕」

“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)作者: 高木 敦史,笹森トモエ出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2010/07/31メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 38回この商品を含むブログ (48件) を見る

カポーティ「ティファニーで朝食を」

ティファニーで朝食を (新潮文庫)作者: トルーマンカポーティ,Truman Capote,村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/11/27メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 63回この商品を含むブログ (103件) を見る子どもと、子どものような青年・大人との交錯が…

連城三紀彦「愛へのたより 連城三紀彦人生相談」

愛へのたより―連城三紀彦人生相談作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 文化出版局発売日: 2000/04メディア: 単行本この商品を含むブログを見る副題のとおり雑誌「ミセス」の読者相談と回答をまとめた本です。興味深かったのは夫婦(読者層から自然多くなる)と愛…

殊能将之「キマイラの新しい城」

キマイラの新しい城 (講談社ノベルス)作者: 殊能将之出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/08/06メディア: 新書 クリック: 23回この商品を含むブログ (166件) を見る水城の入れ知恵と、エドガーの事件の動機が面白かったですね。ノリノリなアントニオ格好良…

連城三紀彦「流れ星と遊んだころ」

流れ星と遊んだころ作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2003/05メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (17件) を見る長編ですがトリックを細かに仕込んでいるため短編に近い肌触りの作品でした。何度も言っていますが連城の短編…

バロネス・オルツィ「紅はこべ」

紅はこべ (創元推理文庫 507-1)作者: バロネス・オルツィ,西村孝次出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1970/05/20メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (6件) を見る面白かった! 宝塚の演目になったというのも納得、ストーリー運び…

連城三紀彦「少女」

少女作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 光文社発売日: 1984/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るなんで私は昔読んだ時、これをノンミステリ(表題作以外)だと思っていたのだろう…… 表題作は、どこが少女なのか、と最初は思いますし、最後だ…

殊能将之「鏡の中は日曜日」

鏡の中は日曜日 (講談社ノベルス)作者: 殊能将之出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/12メディア: 新書購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (38件) を見るメイントリックよりも何よりも石動の使い方が良かった。ラストシーン可愛すぎる。

連城三紀彦「美女」

「他人たち」まで読んだ時点で、連城のモノローグもの好きとしてはすでにお腹いっぱいを超えます。 連城の文章の中でも、とりわけモノローグが好き。狂ったのがあれほど美しいのは、突き抜けた狂人の”論理”だからだろうと思う。 連城作品のピュアな狂人の論…

Laputa「翔〜カケラ〜裸」

初期のアルバムをまとめて買う機会があったので、ちまちまとLaputa聴いています。 最初に聴いた麝香と、この「翔裸」が一番繰り返し聴いているアルバムです。理由は単純、ベースが目立つから…… 第一の衝撃は間違いなくVirgin cry。知らなくても分かる、シン…

連城三紀彦「瓦斯灯」

瓦斯(ガス)灯作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 1984/09メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見る「親愛なるエス君へ」か美しくて美しくて……あのテーマのミステリでこんな美しい関係が書けるものなのかと、それこそ主人公が…

the Underneath「ASH -ashes to ashes,dust to dust」

聴いた時に、即座に思い出したのが連城三紀彦の短編「夜の鼠たちのために」でした。 ストーリーにそのまま合致はしないけれど、この孤独感が合う気がして。 そっと触れて その両の手で ためらう事無く仕留めてくれよ 突風の中 掲げた偽善も罪も 俺たちは寄り…

連城三紀彦「夜よ鼠たちのために」

夜よ鼠たちのために―連城三紀彦傑作推理コレクション (ハルキ文庫)作者: 連城三紀彦出版社/メーカー: 角川春樹事務所発売日: 1998/11メディア: 文庫 クリック: 47回この商品を含むブログ (10件) を見るもう話すのが勿体無い。作り込んだキャラクター/人間関…