青柳いづみこ「モノ書きピアニストはお尻が痛い」

モノ書きピアニストはお尻が痛い (文春文庫)

モノ書きピアニストはお尻が痛い (文春文庫)

ドビュッシーとフランス世紀末デカダンスの関連や演奏家評、演奏/文筆二足のわらじで活動することに関してのエッセイ集。
とにかく青柳いづみこの本はドビュッシー研究が面白い。あれだけ美しく柔らかでキラキラした曲を書くドビュッシーが、耽美に入れ込みオペラに口を出しすぎ、「アッシャー家の崩壊」に10年かけて取り組もうとして、なまじ音楽的素養があるからこそ恐怖に振り切れなかったというのがね。