佐々木丸美「雪の断章」

雪の断章 (講談社文庫)

雪の断章 (講談社文庫)

孤児4部作では最も少女小説パートと経済小説要素の入れ替わりが激しいのではないかと思います。
217頁の、この二か所が好き。

私は雪の声を聞いた。
裏切りがあるから信じ、崩れるから積むのでしょう、溶けるから降るように。<<

でも、私はやっぱり雪がうらやましい。短くてもいいから白く生きたいと思った。雪に生まれたかった。