連城三紀彦「戻り川心中」

戻り川心中 (光文社文庫)

戻り川心中 (光文社文庫)

書かれている歌を読みたくて再読しているのだけど、このトリックを書くには他の芸術や物書きではなく歌人でならなければならなかった理由がなんとなく分かってきた、ような気がする。

きっと変調二人羽織の落語家も、花虐の賦の脚本家と女優も、観客はただ一人の女優も流れ星と遊んだころの彼も、その職でならなければならなかったのだと思う。