ルーツを辿る・2

現在も在学中の高校の図書館は、蔵書がものすごく充実しています。


高校生〜
篠田真由美「建築探偵桜井京介シリーズ」

入学した当時、なぜか建築に興味を持ち始めた私は、図書館で「建築探偵」と銘打たれた本に出会いました。
正確には近代建築を研究する人のことですが、はやみねを通して「推理もの、
好きかも知れない」と思い始めた私はそんなことも知らず、「建築+探偵→読む!」と、実に単純に手に取ったのでした。


結果的には、これは幸運でした。
文章も読みやすいし、キャラクターも強くストーリーも面白くて、ミステリとしても完成度が高い。まさに入門者に最適です。現在も、初心者にミステリを薦める時には、必ずこの作品を挙げています。
また、物語としてミステリを読んでいた頃には知らなかった、ピースが繋がっていく「パズラーの面白さ」を知ったシリーズでもあります。
特に「原罪の庭」! 早くにこの作品を読んでしまったのは本当に贅沢というか、当時の自分が羨ましいというか……。
だって、「原罪の庭」を上回る衝撃を与えたWhydunitを、未だにお目にかかったことがないんですから。


霧舎巧「霧舎学園シリーズ」

四月は霧の00密室 私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス)

四月は霧の00密室 私立霧舎学園ミステリ白書 (講談社ノベルス)

引き続きはやみねからの繋がりで、霧舎作品にも手を出していました。
学園シリーズの仕掛けには、毎回「こんなこともアリなのか!」と思わされましたし、影響というには違うかもしれませんが、これがあるから今に至るんだよなぁ、という意味で。


島田荘司占星術殺人事件

占星術殺人事件 (講談社文庫)

占星術殺人事件 (講談社文庫)

霧舎巧の名付け親として島田荘司の存在を知り、じゃあ読もうと。
ところで、「金田一少年」を読んだにも関わらず、これを挙げるということは……
ええ、こればかりは自分の忘却力に感謝してます。あー恥ずかしい……
しかし、「占星術」こそ転機でした。
ひとつのトリックから、ドミノ式に全てのことが繋がっていく。建築探偵シリーズで知った楽しみを、とびきり広いスケールで見られたことが、私のミステリ開眼体験だったのです。


とまあ、私のルーツはこんな感じです。
その後に強い影響を受けたのは、


佐藤友哉フリッカー式

フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人 (講談社ノベルス)

フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人 (講談社ノベルス)

有栖川有栖「双頭の悪魔」
双頭の悪魔 (創元推理文庫)

双頭の悪魔 (創元推理文庫)

法月綸太郎「誰彼」
誰彼 (講談社文庫)

誰彼 (講談社文庫)

麻耶雄嵩「夏と冬の奏鳴曲」・「木製の王子」
夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社ノベルス)

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) (講談社ノベルス)

木製の王子 (講談社ノベルス)

木製の王子 (講談社ノベルス)

「双頭の悪魔」は犯人当ての作法を学んだ作品でもあるし、一番好きな名探偵に出会ったことが忘れられません。
「夏冬」は腰を抜かした。本格感も変わりましたよ。