二階堂黎人「悪霊の館」

悪霊の館 (講談社文庫)

悪霊の館 (講談社文庫)

人間関係が入り組んでいて読み応え充分。首切りの理由にも唸った。
しかし、話を盛り上げるためとはいえ、狂人や(ネタバレ→)近親姦(←)に対して、嫌悪感をこめた台詞を書くのはどうかと思う。便宜上の手段だと分かっていても、このシリーズはそこが難点だな。
同性愛もこんな風に書かれるんだろうな、と思ってしまうから、マイノリティとか格とかに差別的なのは好きじゃない。
あと、館の書き方にあまり迫力がない。いや、建築基準法はどうでもいいんだ(そもそも知らない。いっぺん勉強した方がいいくらい)。雰囲気がないの。綾辻行人篠田真由美みたいな館ものを読みこんでると、そういう目が厳しくなる。