千野帽子「文学少女の友」より

文學少女の友

文學少女の友

最近よく名前を目にする評論家・千野さんの本ということで。「少年探偵団 is dead. 赤毛のアン is dead.」がミステリの歴史やファン心理に触れています。

一九七〇年代、教養したい男子たちは、大衆化した大学のジャズ研究会やミステリ研究会といった趣味的なサークルに集まります。彼らの上の世代からは一様に「しらけている」といわれていましたが、彼らなりに反抗していたのかもしれない。反抗すべき父など、とうに死んでいたのに。
既存の秩序に反抗するためにすら、秩序だった教養を積み上げていくことをやめられない点で、ミステリ読者共同体はむかしのジャズファンに似ています。教条主義権威主義。クラシック(純文学)ファンを体制派視するアウトロー意識。ポップス(ラノベ)ファンを蔑視するエリート意識。
                            (P.95〜96より)

耳が痛いっす。自分もやはり、こういうところがあります。
ただ、この人は本心じゃ「少女」じゃないと思うんだよね。
おまけに、他人の引用が多すぎてノれません。