THE MICRO HEAD 4N'S「-REVERBERATIONS-」

新アルバムを聴きました!

まず前提として、マイフォというバンドはバックグラウンドありき、つまりメンバー全員が所属バンドの解散を経験しており(うち1人に至っては機材もすべて売り払い音楽から引退しようとしていた)、そこから結成したバンドであるという事実があります。
これは音楽においても明確に表れており、パーソナルインタビューのみならず楽曲解説でも繰り返しメンバー自身の口から語られてきました。
「-REVERBERATIONS-」は、ファーストアルバムよりもさらにその背景が濃く反映されていると思います。「絶望」、「夢」、あるいは「僕ら」といった複数形の一人称にこめられた意味は大きく、しかし彼らがステージに立つ未来や音楽への希望をとても強く感じるアルバムです。


とりわけCallingからユメノツヅキの流れが印象的です。
ヘヴィな言葉で綴られるCallingを聴き終えると、ユメノツヅキが柔らかな歌い出しで始まります。マイフォのリーダーであり発起人、そして前述したように一度音楽を辞めようとしたギタリスト・和也の原曲だそうです。

私はマイフォのメンバーでは彼が一番好きで、それはイベントの最中、他のバンドの出番を待つためだけに何も知らないまま上手にいた私の前に彼が出てきたその瞬間からなのですが、ステージにいること、ギターを持つこと、バンドで音を奏でることの幸福が伝わるからなのだと思います。もちろんプレイスタイルや煽りの格好よさも大好き!


その和也が作ったからでしょうか、ユメノツヅキはまるで花の蕾が開くような、温かな曲。
私はこの“ツヅキ”というのが好きです。歌詞の中にはいずれ訪れるその時への覚悟も感じられますが、“ツヅキ”は夢が終わってしまう怖さすら飛び越えて、その向こうに皆……メンバー5人と、マイクローンの皆がいる未来が浮かびます。私はそれを、一緒に見ていたい。


アルバム全体の流れが変わるポイントでもあると思います。Calling、ユメノツヅキの歌詞は「今」=「全テ」、光の世界にも繋がっています。

散々バックグラウンドありきと書きましたが、THE MICRO HEAD 4N'Sにはもう1つ、ライブバンドという顔があります。
他ならぬ、メンバーのキャリアも名前も知らずマイフォを見て、いっぺんに好きになりイベント終了後そのままCDを買って帰った私が言います。リッキーの人を惹き付けるヴォーカル、長年共にいるツインギターとリズム隊、5人がありったけの思いを音楽にこめながら、ひたすら楽しく、熱く、腰が痛くなる(笑)、ピースフルなライブが魅力だと思います。
特にI'm like a bird in a cage & U too(仮タイトルは「腰痛」)は、これを目当てにワンマンライブに行こう、と決意した思い出のある曲なので、マイフォと出会った日の衝撃……去年一番の大事件を思い出します。
タイトルトラック「REVERBERATIONS」は声も面白くて好き。