- 作者: 大山誠一郎
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2012/10
- メディア: 単行本
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密室を作る理由とは、密室の“外”の出来事ともいえると思うんです。だから私は、個人的な感覚ですが「なぜ密室を作ったのか」というテーマは必ずしも「密室もの」に含まれるとは考えておらず、「密室蒐集家」もこのパターンではないかというのが正直な感想。
ハウダニットでなければ、とも思っていないのですが、「密室蒐集家」の収録作はある意味、開きっぱなしだと思うんですよ。密室を作る理由からアプローチしていく「理由ありの密室」を除いては、アリバイ崩しなり意外な犯人なり、密室それ自体の必然性がそれほど重要ではなく、またその必然性が保証されているのかも疑問といえば疑問。