たまには社会派に

アリプロで思い出したんですけど、綾辻行人暗黒館の殺人(四)」に寄せられた文の中で宝野アリカ様が「マスコミが言う『心の闇』っていうのは、闇に対して失礼だ、という話を綾辻さんとした」と書いていましたが、私も同感です。
柳美里がTVのインタビューで「闇は光で救うことはできない。闇を照らせるのは闇だけ」と言った時も違和感を覚えましたもん。闇なんて多かれ少なかれ誰でも持ってるし、珍しいものでもないでしょ。それを取り返しのつかないマイナスのように言うのはおかしいですよ。


だいたいさあ、調子に乗るマスコミもマスコミだけど、振り回されてることを自覚してない視聴者も視聴者だよね。
去年あたりからのいじめ普及キャンペーンの時、私はニュースを見ながら思いましたよ。
「これって犯罪じゃん。それも歴とした刑事の。なんでそれが『いじめ』なんて軽い言い方ですんでるのよ」と。
奴らのパターンは簡単です。
犯罪行為が親から子なら虐待。男と女なら狂気。「いわゆる『オタク』系のイメージ」にはまりそうならバッシング。部屋にホラーやアニメのビデオがあればなおよろし。
そして子から親へ、若者がやれば、若者が不特定多数に対してやれば、インターネットで何かしていれば、漫画やアニメが好きだったら。マスコミはそれらを残さず「心の闇」呼ばわりします。
結局ね、事実や真実を伝えることなんてどうでもいいんですよ、奴らは。扇情的な話題を提供して、弱者扱いできそうなターゲットを見つけては叩いて、サディスティックな願望を満たして、視聴率と発行部数が稼げりゃいいんです。こんな奴らが言論握ってるから政治も変わらないんだよ。
官僚の天下りがすっぱ抜かれた件だってさ、何十年もやってたことを何故あのタイミングで言わなきゃならなかったのか、理由が全くなかったでしょう? 絶えず「話題」を提供している証拠ですよ。