笠井潔・編「本格ミステリの現在」

本格ミステリの現在

本格ミステリの現在

評論集。未読本のネタバレもあったので、いつくか読んでいないのもあります。

一番興味深く読んだもの

巽昌章による「法月綸太郎論」と、千街晶之による「有栖川有栖論」。
「双頭の悪魔」のラストには私も疑問に思っていたので、それが火村のキャラクター性とリンクしているという解説はありがたかった。あと、「空恐ろしいまでの諦観」というのはドキッとしました。

一番面白かったもの

その有栖川による「山口雅也論」も最高。全編パンク語りで、飛ばしてるなぁと思う。
論としてしっかりしているのはもちろん、文体だけでも楽しめる上に遊び心も満載、さらには有栖川の本格ラブもビシビシ伝わってきます。

一番難しかったもの

佳多山大地による「麻耶雄嵩論」。
どうやら、本来語るべき「麻耶雄嵩論」の一部に過ぎないらしい。道理で。