新潮ストーリーセラー編集部編「Story Seller」

Story Seller (新潮文庫)

Story Seller (新潮文庫)

白眉は有川浩「ストーリー・セラー」と米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」ですね。
「ストーリー・セラー」はフォロワーさんがツイートしていた評を何度か読んで、気になっていた作品です。書く人間と読む人間、両方の業……もっと言うなら、それでしか関係を築けなかった人間たちの小説でもあると思います。
最後の呼応も印象的でした。読んでからでないとあの言葉は出てこなかったんだな、と。読む人にも、そうすることでしか生きられない部分があるのかもしれないと思いました。


「玉野五十鈴の誉れ」は今回「ストーリー・セラー」の直後だったためか、純香と五十鈴の会話を丁寧に読んでいきました。ポーの出番も素敵。
何十回も読んでるのに毎回発見があったり、受け取るものや感じるものが違うのが不思議です。読む方も日々変化しているのだから、当然といえば当然だけど。