連城三紀彦「私という名の変奏曲」

再読ですが(内容だいぶ忘れてるとはいえ)酔わされました。
連城は、芸事、芸能、芝居、嘘、虚飾、そこで生きていくことやそこにしか生きられないこと、業や怒りまで書くのが本当に上手い。そこに酔わされる人間を書くのも。


この作品、確か千街晶之が長編ベストに挙げいたはず。
復刊であるこの版の解説も千街さんですね、「流れ星と遊んだころ」が"嘘"を中心とする登場人物の内面的な記述(もちろんトリックにも絡んでくる)に触れているのに対し、こちらはガチガチの本格ミステリ作家のスタイルについて。
フランスミステリとの比較を交えながら挑戦的なトリックの狙いについて触れられています。