太田忠司「東京『失楽園』の謎」

東京『失楽園(エンジェル)』の謎 (ノン・ノベル)

東京『失楽園(エンジェル)』の謎 (ノン・ノベル)

これ、良いです!
実際にはなかった火事、千鶴のパニックと赤い天使など、謎解きのロジックの密度が高く、同シリーズの他の作品に比べて「本格本格」してる感じ。
特に、私が偏愛する「狂人の論理」の使い方が凄いんです。
偶然なのですが今、山口雅也「キッド・ピストルズの妄想」を並行して読んでるんですよ。こっちは同じ「狂人の論理」にしてもロジックだけが極端に使われています(もちろん、それはそれで良いんです)が、「東京『失楽園』」では「犯人の論理」と「感情・境遇・社会的立場」といったミステリ以外の書き込みとがきちんと関係しており、「読んだ甲斐があった!」と思える仕上がりになっていました。


でね、ここからは蛇足なんですけど、兄妹愛もシリーズ最高レベルなんですよ。萌え死ぬよ。
188ページを見逃すな!