- 作者: ミステリー文学資料館
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/07/12
- メディア: 文庫
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
タイトルはアレだが目次を見れば、小栗虫太郎、笹沢左保ら本格ミステリ作家、夢野久作の幻想ミステリ「死後の恋」、90年代以降の女性作家の作品まで幅広く収録されている。個人的には連城三紀彦の作品から「花虐の賦」が選ばれていることに注目したい。
超おすすめです。
また千街晶之による東西ミステリ発展、時代性と比較しながら恋愛ミステリの文学史を概観した解説(解題)が圧巻。ミステリが含むことのできる文芸性、名探偵と恋愛の関係なども説明されていてかなり面白いです。
それからもう一つ収録作の中からおすすめしたいのが「方子と末起」ですね。女学生と、彼女と愛しあう療養中のお姉さまの書簡形式で書かれる密室殺人事件です。不思議の国のアリスを引用したり、少女の窮地、エス関係、家庭のゴタゴタと豊富なガジェット、これで作者が小栗虫太郎という驚きの短編。何回も読んでますしトリック自体は簡単なのですが、エス好きな人は激しくおすすめです。