- 作者: 有栖川有栖
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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思ってもいなかった論理を捻り出し、そこからの帰結によって犯人を突き止める手腕は相変わらずですが、これだけならロジックの緻密度で「双頭の悪魔」に及びません。
問題はその後です。何故<城>を閉じなければならなかったのかを解き明かすあの伏線。こう来なくっちゃね!
また何故この事件でなければならなかったのか、何故江神二郎は神倉に行ったのか、この点が物語上の意味と直結しており、シリーズ作品として確実に進んでいる事が伺えます。
宗教がらみであることも含めて考えると、これは「双頭の悪魔」以前とは違い、明確に「江神二郎が呪いを抜け出すためのプロセス」であるということなのでしょう。
完結には時間もかかりそうだし、短編はもう少し書かれるかも知れませんね。