もし今、私が殺人を犯したら

周囲や周囲にいない人も含め、ずいぶんと多くの人が「漫画の影響だ」「読んでる本の影響だ」と騒ぐことでしょう。
そしてその中には、私がミステリ好きであること、殺人行為を関連づけようとする人もいることでしょう。
確かに、私のアイデンティティの中核を担っているのはミステリであり、暇さえあれば(暇がなくても)ミステリ関連の本を読むことにあてています。
しかし実際のところ、私の今までの人生で最も馴染みのある書物は、楽譜なのです。
幼稚園児の頃にエレクトーンを始め、ピアノ・オルガン・吹奏楽・オーケストラの経験もあります。弾かない曲でも楽譜を見ることくらいはあるし、弾く曲となれば考えなくても指が動くなるようになるまで練習し、その過程で暗譜も自然に出来ている(逆に言えば、自然に覚えられるくらいに弾く)。頭脳もフル活動。全身まで神経をいきわたらせた運動ですから、夏なんかクーラーをつけていても暑いです。特にオーケストラは中学・高校の部活でしたが、演奏会直前は食べても食べてもエネルギー消費に追いつかず痩せていくほどの練習を重ねます。こういう時は、本を読むような余裕もありませんでした。
こんな生活を送っていても、いざ何か犯したら途端に「読んでる本が……」「ミステリーが……」とか言われるんだろうな。嘆かわしい。