奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』

いい意味で真面目で、エッセイで一番と断言できるくらい読みやすくて好きな文章だった。
研究者・翻訳家である奈倉有里さんの、ロシア文学を研究するため留学されていた学生時代のエピソードが書かれています。静かでありながら強烈な熱を持っている本です。
ロシアに限らずウクライナ文学をはじめ他の言語で書かれた文学、言語そのものや当時の国同士の情勢についても。

あらゆる時代の文学を、人はなぜ書き、読み、求めて、研究してきたのか。
国や言語、思想によって人が分断されてしまわないよう、この2022年に強くおすすめしたいです。