STEALTH「アルストロメリア」

アルストロメリア

アルストロメリア

まずは感想ではなく前置きを。
GLAYは好きだったもののこのアルバムはずっと聴くための踏ん切りがつかなくて、Junjiさんを好きになってから、そしてライブでEinsatzを聴いてTOKIさんの歌を受け止められるようになってから、ようやく聴こうと思いました。


蓋を開けてみたら、前半は何よりもギター3人の個性がバリバリ出てて楽しかった……(笑) 聴き比べるだけでお腹いっぱい。
sadsのカズさんも好きなので、特にGREEN WAYのツインギターが楽しかったです。HISASHIの伸びやかなギターがあまりにも彼らしくて、ベースまでほんの一部だけど「これ、JIROちゃんじゃないの……?」と思った箇所が。ちゃんとJunjiさんの音なんですけど、ギターに対する突っ込み方が。


TAKUROらしいメロディが目立つのはTIME & TIDEとSunset Blvdかな。参加メンバー的にも。
C4ライブDVDに収録されたSunset Blvdを見ても、「彼の曲はこういう声を呼ぶのか」と伺わせる面があったんです。メロディが感情のどこを抉っていくか、がそのままボーカリストの声に直結しているみたい。
"世の中で憎悪と呼ばれるモノこそ真実の愛に思えた"と書いたのはおそらくTAKUROだと思うのですが、さて。
TOKIさんの声を強く意識して書いたのだろうと思うのはこの曲とEREANOAですね。この2曲は、TERUの声が乗っかるのが想像できない。


灼熱はリズム隊の勝利(何の勝負だ)。ベースの音に踊らされて、焼かれたい。
灼熱の重低音が強く出ているのは、カズさんのギターの存在も大きいと思います。なぜならSHADYもそうだから。七弦ギターとベースのユニゾンおいしい。


アルバム買う前に色々遡って調べて、アルストロメリアのPRのために配信する曲はsickbedがいい、と言ったのがTAKUROだと知りました。

TOKIさんの実体験から書かれた歌詞。交通事故と予後の感染症による入院生活を経験し、現在までを生きていくことにつながる、彼のある意志が綴られています。
TAKUROがこの曲を選んだのは、TOKIさんが、彼の歌が、言葉が、生きてきたことが、音楽が、誰かに、世界に響くようにと、そういう力を誰よりも分かって、望んでいたからだと思います。おそらくTOKIさんという一個人の名前さえ超えたところで。



アルストロメリアの歌い方が愛しい。
ギターの入り方がTAKUROでしかない。
実際の私にはいないしそんな未来もあるか知れないのだけど、もし自分に子どもがいたら聴かせたい曲です。